畝傍駅音楽祭

ゲストハウス笑顔の最寄り駅JR畝傍駅で音楽&マルシェイベント「畝傍駅音楽祭」を開催するために町の若手メンバーと少しずつ準備を進めていました。本日5月10日(日)開催を目指して準備を進めていましたが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により非常に残念ですが今回は中止することになりました。そのお話を書こうと思います。
私自身の備忘録を兼ねているのでちょっと長くなりますが、興味のある方は読んでみてくださいね(^^♪

イベント開催までの経緯

ゲストハウスと設計事務所を経営しながら、せっかく移住したこの町で面白いことができたらなぁとまちづくりNPO「八木まちづくりネットワーク」(我々がゲストハウスの物件を紹介していただく際にお世話になった団体)の活動に色々参加している中で、もっと町の人が関われるようなイベントができたらいいのにと思い始めたことがはじまりとなります。それが昨年秋ごろ、この奈良県橿原市八木町に住んでゲストハウスを始めてから2年半が経った頃ですね。

八木町では毎年秋ごろに「奈良・町家の芸術祭 はならぁと」というイベントを開催しています。はならぁとでは、外部から来ていただいた現代アート作家さんに八木の町家や空き町家に作品を展示してもらい、その作品と建物・町との融合を楽しんでもらうというようなイベントです。奈良県が主催していて、奈良の古い町並みが残っている色んな地域で開催されています。はならぁとは現代アート展であるとともに、空き家になっている町家を会場とすることで町家の価値を見直し、その後の活用につなげていこうとするイベントでもあります。八木町でも会場となった建物がカフェになったり、コミュニティスペースになったり、その影響で我々がゲストハウスを始めたりと、単なるアート展にとどまらず、素晴らしい成果をあげている活動です。

その一方で、運営側として活動をしているとまちづくりNPOのメンバーはこのイベント開催のためにものすごく頑張っているのですが、地域の人たちが関われることが少ないため、やっている側と参加する側の距離を感じるようなイベントになっていると感じていました。
この町に住んで2年半で町の中には色んな活動をしている人がいること、ワークショップをやりたいんだよねという奥様方がいること、自分の住んでいる町のために何かしたいと思っている若者がいることを知りました。この人たちが活躍できるようなイベントができたらいいのにと、最初は今ある「はならぁと」で町の人が活躍できるようなこともできたらと試みました。しかし、もともとマンパワーが足りない状況で「はならぁと」の運営を行っていたのにプラスアルファで別のこともやるというのはなかなか困難だろう、またコンセプトもよくわからないイベントになりかねないということもあり、別イベントとして立ち上げることにしました。

イベントコンセプト

イベントのコンセプトは「地域の人が地域で活躍でき地域で楽しめるイベント」。リンカーン大統領の「人民の人民による人民のための政治」をもじりました。地域の人が参加するだけでなく、一緒にイベントを作っていけるようなものにしていきたい。このコンセプトに共感してくれそうな人に声をかけ、まずは小さくてもいいから同じ方向を向いていけそうなメンバーと始めることにしました。最初は小さくてもイベントをしていくうちに興味を持ってくれた人がちょっとずつ一緒にイベントを作る側に回ってもらい、ちょっとずつ大きなものにしていけたらと思っています。そういう仕掛けも色々とトライしていこうと思っています。

イベントをする上でもう一つ大事なのがお金の問題。地域イベントでは補助金を取ってきて、それを運営資金にイベントをするということがよくあるパターンですが、補助金はだいたい3年で終わってしまい、お金が途切れるとイベントがなくなってしまうことが多いように感じていました。せっかく始めるのであれば、長く続けていきたい!!ということで、補助金に頼らず、出店者から少しだけ出店料をいただいて、それを運営資金とすることにしました。本当にちょっとばかりの運営資金なので、できることは自分たちでする、借りられるものは全部借りてくるというスタンスです。長期的にはスポンサーを探してくる等をする必要があると思いますが、まずは小さく始めることにしました。

イベント内容・開催場所

地域の店舗さんや趣味で活動している方・グループに出店してもらえるようなマルシェエリアと手作りの小さな音楽ステージを用意して音楽活動をしている人に活躍してもらう音楽エリアを作ることにしました。
音楽エリアを設けたのは、一緒に運営してくれることになったメンバーの一人が音楽で橿原を盛り上げたいと活動をしているDJ・PAをしている方だったことが大きいのですが、地域の中にも色んな音楽活動をしている人がいるし、橿原の高校生にも出演してもらえたら面白い。演奏できる場を求めている人もいるんじゃないかということで音楽をイベントの一つの目玉にすることにしました。

開催場所はJR畝傍駅にすることにしました。畝傍駅は橿原市の中心にあり、かつては天皇陛下が神武天皇陵にいらっしゃる際に乗降して、その時に使用した貴賓室が今でも残っている由緒ある駅です。しかし、今では無人駅となり、駅前もコインパーキングになっていて、ちょっと寂しい駅です。駅舎も素敵だし、貴賓室もあるし、なんかもったいないなーと思っていたこの畝傍駅がまた”みんなが集える場”になればと思い、まずはイベントから始めることにしました。イベント時には貴賓室の公開もする予定です。

開催までの準備

イベント開催に向けて以下のことに取り組みました。

  • 運営メンバー集め
  • 橿原市の後援取得
  • JR畝傍駅の使用許可取得
  • 出店依頼、出演依頼
  • 広報活動(コロナ拡散で実施に至らず)
  • 開催準備(コロナ拡散で実施に至らず)

運営メンバーはこれまでの活動で知り合った町の若手メンバー。同じ方向を向いて行けるメンバーと基本はLINEなどで連絡を取り、月に1度打合せをしながらイベントの方向性などについて議論をしながら進めてきました。これまで町で活動してきた「八木まちづくりネットワーク」の方にご協力いただきながら橿原市に後援をお願いしたり、JR畝傍駅の使用許可をいただいたり、ちょっとずつ準備をしていきました。

畝傍駅の使用許可を得た段階で次は出店・出演してくれる方を探す段階に。地元の飲食店の方、地域の奥様方、橿原市を中心に活動している人など、今後も一緒にやっていってもらえたらと思える出店者の方々、そしてその中でもイベントコンセプトに共感してもらえる方々に声をかけさせていただきました。タイミングが合わず断られたりということもありましたが、8店舗出店してもらえることになりました。

音楽の出演者についても、橿原で音楽活動している人、橿原に住んでいて音楽に関わることをしている人、地元の高校の軽音楽部の学生に声をかけ、出演料は出せないけど、一緒に音楽でイベントを盛り上げてくれる8組のアーティストに出演してもらえることになりました。

手作りのイベントですが、形は整ってきた。さあ広報活動をしていくかという段階でコロナの魔の手が…。3月上旬からSNSやチラシなどで広報活動をしていこうと思っていたのですが、いったん延期。4月になりますますコロナが拡大していくということでイベントの中止を決めました。安心して開催できるようになったら必ずやりましょうとメンバーとは話をしています。

今後の展開

アフターコロナがどんな世界なのか想像がつかないところも多いですが、まずは第一回を開催したい!!と思っています。やってみてよかったところ、改善していくべきところが見えてくるはずです。出店・出演してくれた方、来てくれた人にもドンドン意見を出してもらって、ちょっとずついいものにしていけたらと思っています。町の中にもサテライト会場を作ったり、興味を持って協力してくれる人が出てきたり、という流れが作れたら最高ですね。兎にも角にもまずは第一回開催!!

個人的な目的

最後に、私がこのイベントで個人的な目的を書いておきたいと思います。
目的は2つありまして、1つ目は単純で楽しいことをしたい!!ということ、もう1つは商売になることを見つけるということです。この町に移り住んで、だんだんと知り合い、仲間が増えてきて、色んな活動をしている人がいることを知って、その人たちが自分のやりたいことで活躍できるって絶対楽しいし、そういう場所を提供できることは自分にとって面白いなと思っていました。好きなことをしている人たちってみんな楽しそうだし笑顔ですもん!!そして、その輪がどんどん広がっていったらもっと楽しくなるんだろうなと妄想しています。
その楽しい時間が続いていくように、自分も何かしらの方法でちょっとばかりお金を稼いでいく必要があると思っていて、お金が入ってくる仕組みを作っていこうというのがその活動の中から商売になることを見つけるということです。ぼろ儲けしたいわけではなくて、持続可能な活動にしていくためですね。そして、そこで稼いだお金でまた次のやりたいことをやっていく、またお金を稼ぐ仕組みを作っていくというサイクルを回していけたらと思っています。お金を稼ぐことも大切ですが、まずは自分のやりたいことをやる!!みんながやりたいことをできる環境を整えるということを意識してこれからも活動していきたいと思っています(^^♪

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